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東京支部だより最新号

■■  第133号 身体均整師会 東京支部会報  ■■

◇ 東京 支部だより ◇

■■            2008年11月■

発 行 身体均整師会 東京支部

事務局 東京都小金井市本町1-2-14 コーポ牧田102

責任者 深沢 功 TEL/FAX042ー233-9782


■11月の予定■

(1)11月の支部研修会

・日 時 11月24日(月)祭日
  ※今月は第三日曜ではなく、祝日開催です。
・場 所 池袋:学園
・時 間 午後1時〜午後4時50分
・講 題 「観歪法・基本と臨床(1)」
・講 師 坂戸哲先生
・料 金 2,000円

※当日はテキストとして『観歪法』と『類別克復法』を使用します。それぞれご用意下さい。

〜様々な観歪法と坂戸哲先生について〜 深沢功

東京支部研修会では、11月より3回シリーズで坂戸哲先生に観歪法を教えていただきます。
「観歪法は南先生が教えているのに、なぜ?」と疑問をもたれる方もいると思いますが、
それは次の理由によります。

100名均整師の条件は色々あると思いますが、
その一つとして、『創意工夫できること』があげられると思います。
実際に臨床の場に臨み、教科書通りの施術をしても確実に効くことはまれです。
均整を生業にしてそこそこ稼いでいる人は、
教科書の施術を受者の状態に応じ、自分なりに工夫をして効かせているはずです。

「均整法は効かない」と言う人もいますが、
その場合、創意工夫もないままに教科書通りの操法を行っている場合が多いのではないでしょうか。
ですから、この創意工夫は100名均整師となる為の必須の条件の一つとなると思います。

この創意工夫により、均整は様々な形に分かれてゆくと思いますが、
亀井先生も、以下のように述べておられます。

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「均整師の刺激法は全員違う」亀井進師範

『・・・将棋さしのように、定石は定石としてわきまえておいて、
 その原理をいろいろな方に拡大して新しく開いていく、
 活かしていくところに操作の妙味があるわけです。
 ・・・要するに自分の醍醐味が味わえるような刺激法
 各人各様に叶うたように作っていかなければならない。

 ・・・均整法は原理は同じであっても全員違っている。
 松山の連中に全員聞いてごらんなさい。同じことをいつもやらない。
 何人おりましても全部違っている。全員が刺激の加え方が違う。
 それでいいのである。
 だから同じ会員であって甲のところでは習わないというと、乙の均整法のところへいく。
 それで争いがない。
 だから「あそこで判らなければ誰それのところへ行ってごらん」というと行くわけなのです。
 するとまた操作のやり方が違うのです。原理は同じでも操作のやり方が違う。

 ・・・私のテクニックは、それは亀井進の刺激法であって、
 あなた達に適したものであるかどうかはわからない。
 あなた達がそのまま真似したのではいけない。
 私は私の身体に適した方法を調整のために用いるようになっている。

 ・・・均整法におけるところの定石としての刺激法がある。
 その刺激法の感度を受けてもらったら、そのものからあなた達の身体に適したようなものを、
 あなた達で考え、あなた達の手で読んで、
 その定石から出た変った技術を使っていただきたい。

 ・・・そうしないと私以上には成り得ない。
 体質が違えば力の差もある。

 ・・・私は体型からいえば消化器型と呼吸器型を加味したものである。
 そのような体型をもった、同型の人は私の刺激法を行ってみるともっとも修得しやすいでしょう。
 体型が違えば自分の体型に適した方法の刺激を、
 定石を基本にして自分で自分のものを作りあげてほしい。
 均整法を行う人は沢山おりますけれども、どの人も同じ型を示す者がない。
 だから全員の行っている手技をみてみると、全員刺激が違う。
 そのところがまた均整法の特色である。

 ところが・・・整体の野口先生の門下生の操法をみると、
 全員、全体が同じ形で同じ手をはこんでいる。
 それはむろん操作は生きるでしょう。
 しかしあれを真似したところで、
 野口先生の身体の体力に叶うた刺激法であって、他の者の行うものにはならない。・・・』

 機関誌「均整」第33号「刺激の定石について」(機関誌復刻版下巻)より

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南一夫先生が先月の全国講習会ですばらしい講義をされましたが、
その講題で「南式身体均整術」と銘打ったのはおそらくこの所以があったものと思われます。
我々が、講習会や研修会にせっせと足を運ぶのはそれぞれの先生方の創意工夫を見る為だと思うのです。

私事ですが、私にとって観歪法は難解で苦手なテクニックです。 
ある操作は目覚ましく効いても別の操作はまったく効かない、という訳で、
23年たった今でもこの分野は未開拓です。
もう少し皆さんと勉強したいと思って、昨年の支部研修会に坂本元一先生をお招きしましたが、
1度の講義では到底分かる訳がなく、
さりとて敷居が高くて、気軽にお呼びする訳にはいかず困っていました。

しかし、観歪法を教えて頂くには打ってつけの先生が東京支部におりました。
坂戸哲先生です。
それを知ったのは、坂戸先生から、
「(手持の観歪法の教科書)2冊がだいぶボロボロなので3冊目が欲しい」と聞かれたことがきっかけとなりました。

びっくりしました。
「ぼろぼろになってしまう」ほど観歪法で実際の治療をしている、
いったいどんな風に治療しているのだろうかと、俄然興味がわいてきました。

創意工夫と書きましたが、坂戸先生は観歪法にどんな工夫を施したのか是非知りたいものだと思ったのです。
そこで、ご無理を言って3回のシリーズで教えて頂くことにしました。
南先生の解釈とは違った観歪法がそこにあるはずです。
均整を学ぶ醍醐味を是非味わってください。

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○坂戸哲先生より

観歪法に関しては、お世話になった坂本末広先生が編纂され、
授業を確立して行こうしていた矢先に身体を壊され他界されてしまったと言う曰もあり、
私にとっても均整法にとっても核を成すべき教科の一つであると心得ております。

私としては、特に『私式観歪法』と言う意識は全くありません。
専門学校で坂本元一先生に授業を受け、
それを坂本先生の施術所で臨床を通して実行してきた観歪法であって、
誰が施術しても同じ効果の出るものであると思っています。

観歪法は、誰が施術しても、目的の諸症状に同じ効果のあるものであり、
また人体の歪を、観歪法の脊髄神経反射法を通し、各自学習する事により、
南先生が行っているような迷走神経系を通して内臓と身体の関係を観察することが、出来るものだと思っています。

均整法を語るなど恐れ多いのですが、
臨床家である卒業生の方々に、私が学校で習った基本、そして坂本先生の所での臨床、
この「基本と臨床」について、また「注意点」等が解説できればと考えてます。

とりあえず、観歪法の施術方法を皆さんが出来るようになって(好き嫌いはともかく)帰ってもらいたいと考えています。

また、当日は『観歪法』の教科書と『類別克復法』を持ってきて欲しいと思っています。

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■今後の支部研修会■

◎12月21日(日)
 講師:坂戸 哲先生
 講題:観歪法・基本と臨床(2)
 場所:笹塚
 研修会後、忘年会

◎1月18日(日)
 講師:坂戸 哲先生
 講題:観歪法・基本と臨床(3)
 研修会後、新年会を予定
◎2月15日(日)

◎3月15日(日)
 講師:小酒井外紀先生

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■第421回支部研修会報告■
 
10月の支部研修会では、
「気持ちよい刺激、また受けたくなる施術」をテーマにした施術問題交換会を開催いたしました。

均整師になってからの道のりなどを、それぞれの体験談などを交えながら紹介しあい、
テーマに沿った技術などの講習も行なわれました。

写真は、片岡先生に披露していただいた、「触圧覚による足首の可動制限の解除」の施術法です。
 







内果、外果のそれぞれの足首の可動性を担うポイントへ指先を皮膚にそっと当てるように置き、
その部分を緩ませ、仕上げに足首に伸びをかけるようにします。驚くほど足首の可動域がひろがりました。

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次の写真は、深沢支部長の講義の様子です。






そのなかでも、頸部の緊張をとる方法が、参加者にとっても興味深いものでした。
ポイントは緊張している筋肉をより緊張させるように誘導しますが、
その時、その筋肉の直上の皮膚に指を軽く当て、緊張方向とは逆方向に皮膚を歪ませます。
触圧覚刺激法の変形ですが、この刺激により、ものの数秒で緊張は消失しました。


参加者全員が説明を受けながら練習できるのも、施術問題交換会ならではの光景です。
より、臨床現場に近づいた研修会は、今後も続けてまいります。
どうぞ、ご参加ください。


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■東京支部自主活動情報■

(1)均整倶楽部活動報告

圏域なきボランティア集団−均整倶楽部 代表 太田 毅

○みんなのひろば祭○
 
11月3日(月)台東区の福祉祭りである「みんなのひろば祭」が曇天の中行われました。
均整倶楽部はこの祭に5年前から参加しています。

みなさんの中には「均整倶楽部って一体何なの?」と思っている方もいらっしゃるかと思います。
均整倶楽部は今から5年前に私が均整師会東京支部の一部の方に声をかけて
設立した施術による有志ボランティア集団です。

5年前から渋谷区の「幡ヶ谷文化祭」、中野区の「スマイルまつり」、
台東区の「みんなのみろば祭」、この3つの福祉祭に参加し、
また横浜で行われる「国際フェスタ」にも参加しています。

基本的には施術による参加を希望していますが、
5年前の中野区のように盲人福祉協会の強硬な反対により
参加形態を健康講座に変更を余儀なくされた時もありますし、
昨年みんなのひろば祭では、同じく盲人福祉協会から強いクレーム(無資格者マッサージ行為をしてる云々)があり
社協と区から参加形態を変えるように圧力をかけられたりもしました。

それに対し中野区では施術での参加形態に移行できる時期を
5年間待って今年はじめて施術での参加となり、
その収益をミャンマーサイクロン、四川大地震の被災者の方へ寄付し、
昨年の台東区では、ひろば祭の実行委員会の幹部の方が均整倶楽部の活動主旨を理解され、
盲協、社協、区の圧力に対し盾となってくださり、
「例年通りの参加形態で結構です」と言ってくださいました。
それが一応の収束をみて昨年今年も例年と変わらずの施術での参加となりました。

みんなのひろば祭りの当日は11人の協力者により、
91名を施術(1人約15分、座位の施術で200円)致しました。
収益は、例年通り「国境なき医師団日本」「(財)対がん協会」「台東区社会福祉協議会」に寄付致します。

我々のような位置付け的には無資格の場合には
中越地震の川口町の時のように社会活動をしようと思っても横槍が入る時があります。
それを乗り越えていかないと現実ボランティアさえできないことがあります。

しかしながら経験から言えば、有資格者のいわゆる「無資格者排除」の動きは、
一般の方たちにとっては「業界内の話」という認識のようで、
有資格、無資格の分け隔てということはすることがないケースが多いと思います。
まして極めて安価の料金で施術を行い、その収益を寄付しているわけですから…

均整倶楽部は志のある方々により、その活動を5年間継続することができました。
渋谷区、中野区、台東区ではその活動がしっかりと認知され、
渋谷区、台東区では毎年施術を受けることを楽しみにしている方もいらっしゃいます。
また継続して行ってきた国境なき医師団日本、(財)対がん協会への寄付行為も
両者からその活動がしっかりと認知されるに至っています。
均整院経営などに忙しさを感じながらも、今後も出来る範囲内で活動を継続していきたいと思っております。

2008みんなのひろば祭協力者
村松陽一、小酒井外紀、池田勝、木内登喜子、
片岡久雄、田川直樹、山崎慎市郎、秋島香、
菅原賢二、鈴木康子(20A)、
田中菜穂実、太田毅(以上12名敬称略)





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(2)いきいき健康法普及協会活動報告

10月25〜26日に、横浜みなとみらいで開催された
『横浜国際フェスティバル』でブースを置き、均整法の体験施術を行いました。
内容はブース内のフロアにマットを敷き、ブースを訪れる方への30分間の施術で均整法を紹介しました。
当協会は、施術を受けた方を感動させ、ブースを見学する方を感動させ、
そして参加者が楽しみながら技術を磨けられるような場所を提供し、活動を続けております。
参加された先生方、ありがとうございました。







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■東京支部自主活動情報■

(1)第176回手技研究会
・日 時 11月20日(木)17時位〜21時位
・場 所 中野区大和町1-65-4増田ビル2F
     ザ・均整法せいたい
・内 容 『高円寺マニュアル(観察について) 』
・問合せ 池田勝 TEL.03-5373-3643
・参加料 ¥1,000

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(2)手技勉強会
 受者・整者・第3者が納得する「3つの納得」の為を目標に、実際にクライアントを招いての実技及び実技指導を実践しています。
 受者の施術料は、事故発生時に賠償保険の対象にするために、初回〜3回まで1,000円、4回以降3,000円を徴収しております。      
・日 時 毎週木曜日10時〜21時(但し毎月3回目の木曜に限り10時〜17時位)
・場 所 手技研究会と同:ザ・均整法せいたい
・参加料 無料

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■あとがき■

本号、均整倶楽部情報で太田先生もお話されているように、
公共の場において均整法を紹介する時などに、
いわゆる「有資格者」の方々から活動そのものの批判を受ける場合が近年増えてきたように思えます。
編者もたびたび中傷や批判の為の問いかけなどを受けております。

経済状況や少子化などの世相を見渡してみると、
多くの施術者にとって、円滑な生活の為の明るい材料ばかりがあるわけではありません。
そしてまた、安易な気持ちで「整体業」を営む事による事故等、
マスコミに否定的に取り上げられるケースも増えております。

いくら私たちが常に真摯な態度で施術を続け仕事としていたとしても、
国家資格という看板なしには「治療行為」と呼ばれる施術ができない、
という実際が活動に制限を加えている感があります。

そして、しかるべき教育を受け、国家資格を習得した方々からは、
我々の業種が「偽物」だと映ったとしても、
我々はそれを公的に退ける術を持っていません。

ただただ思うのは、いつか公に共存でき、ともに学び、語り合う場ができたらいいな、という事です。
第3の医学を目指す、と亀井師範は仰っておりました。
未だ、その第3の医学は公には医学と認証されておりません。
身体均整法では現在、医療行為をしてはならないとされています。
患者を治療する事はせず、クライアントの身体の平衡、可動、強弱を正すという事をおこなっております。

しかし、今、私たちができる事は、どんな風がどこに吹こうと、
一生懸命に学び実践し、世の為、人の為、そして自分の為に、たくさんの方に喜ばれ、
どの世界に向けても胸を張れるような均整道を地道に歩くしかない事だと、強く強く思っています。

その為にも、クライアントに感動を与えられるよう、
治療行為を行う様々な業種の方々にも負けないよう、しっかりと学んでいきたいものです。
東京支部はこれからも、その学ぶ場を提供し続けてまいります。(矢作)


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