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東京支部だよりバックナンバー(2007年11月)

■■  第123号 身体均整師会 東京支部会報  ■■

◇ 東京 支部だより ◇

■■            2007年11月■

発 行 身体均整師会 東京支部

事務局 東京都小金井市本町1-2-14 コーポ牧田102

責任者 深沢 功


■第412回支部研修会報告■

9月16日の支部研修会は、
広島より山口他津子先生を講師に迎えました。
『揺すぶり』の講題で、
主に四肢を使った揺すぶりをご講義いただきました。                 

◆四肢を使った揺すぶり◆(山口先生作成資料より)

・前後揺すぶり=内蔵の緊張、弛緩させる
 (神経反射で鼓舞、又は抑制)
・上下揺すぶり=内部の形を変える
 (内部を動かす)
・左右揺すぶり=筋肉のバランスを取る
・圧迫揺すぶり=動きを良くする(関節)
・牽引揺すぶり=痛みを取る

 

【腹部観察の基本】

四肢を使った上記の揺すぶりのうち、
内臓を緊張させたり弛めたりするのは「前後揺すぶり」です。
その前に腹部観察をしっかりと行います。

受者の側方に体を置き観察をします。
四指を重ね、下の手は固定、上の手で操作をします。
下の手で観察します。
まずはへその向こう側(下写真なら左側)へ
その横から外側に向かい筋肉上を滑らせ、
そして手前に引き異常を確認します。
(このやり方以外で探るようにすると、
 観察ではなく調整になってしまう)
その後手前の腹部に対しては、内側へ向かい圧して確認して下さい。



 

【左右揺すぶり】

筋肉のバランスを取る「左右揺すぶり」の一例。
ここでは腰部筋肉を調整します。

腹部観察と同様の形で体の側面へ筋肉を引き遊びを取り、
その圧のまま内側(腰部)へ向け圧定。
張力を足の角度で調整します。
そのまま他方の手で大腿後面を把握し左右に揺すぶります。




 

【牽引揺すぶり】
 
痛みをとる「牽引揺すぶり」を、腰の最密位を使って行う例です。
下に着いた足を開く角度を変える事で各腰椎へ狙いを変えられます。 

牽引する角度を工夫する事により腹痛操法にもなります。 



今回ご披露して頂いた技や言葉には、
逆子の調整法などすぐに臨床に役立つ操法も盛りだくさん含まれておりました。
特に、腰への施術で悩んでいらっしゃる方には、
上記「左右揺すぶり」や「腰の最密位」+「牽引揺すぶり」を覚えることで、悩みの多くが解決すると思います。

しかし、腰痛、逆子などについて対処療法的に捉え
「手持ちの技が増える」という意味だけで今回の研修会を捉えたとしたなら、
とても大事なものを見過ごしたと言えるでしょう。  

そこには「揺すぶり」操作の講義を通じて、
身体均整法の基礎がたっぷりと紹介されているからです。                 

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■11月の予定■

(1)11月の支部研修会

11月の支部研修会は、
講師に日本姿勢保健均整師会会長の坂本元一先生をお迎えして提供いたします。                  

※開催場所・日時が通常通りではなく、
 23日の勤労感謝の日10時より、池袋の学園となります。
 お間違えのないようにお願いいたします。

・日 時 11月23日(日)
・場 所 池袋;身体均整法学園
・時 間 午前10時(お間違いのないように)
・講 師 坂本元一先生
・講 題 脊髄神経反射
・料 金 ※外部(支部会員ではない)の先生をお招きするので料金が変わります。
     ○東京支部会員・養成講座の学生
      =¥4,000
     ○他の支部会員・他の会の均整師
      =¥6,000
     ○一般=¥12,000
※テキストとして「観歪法」を用意してください。
 編者より)
 印刷して配付している支部便りに、このテキストの記事が欠けていました。
 もし、御一緒される先生方がいらしたら、その旨を伝えていただけたら、と思います。
 すみません、宜しくお願いします。

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講師紹介:坂本元一先生談話より

坂本元一先生(昭和15年生まれ、67歳)。
昭和35年、松山にて亀井先生の身体均整法に触れた当時のエピソードを語っていただきました。

◎11人より身体均整協会始まる

松山に始まった身体均整協会の会員は、
当時11人(1人は亀井先生)に限定されていたそうです。
欠員が出なければ、入りたくても入れない状態だったと言いますから、大変な「狭き門」だったようです。              

その理由は、それ以上の人数では亀井先生が丁寧に教えられないこと。
また、均整師会を大きく発展させる為には、最初が大事だから、
その核となる人材を養成する為だったのではないかということでした。           

坂本元一先生はお父さんの坂本末広先生とともにその11人の中の1人でした。    

◎東京における均整法の礎

昭和38年、身体均整法をさらに発展させるために、
東京に身体均整協会関東総局が設置されました。
小関勝美先生が東京の責任者となり、
坂本先生ご一家(末広、元一先生)は、亀井先生から50万円を借りて上京したそうです。  

東京の永福町に治療院を構えました。
間もなく、九州からは大村熊雄先生も上京され、
こうして東京に身体均整法発展の礎が築かれました。

◎東京身体均整学園開設

昭和45年には、渋谷区大橋に東京身体均整学園が開設されます。            
坂本先生は、その学園の講師となります。
大村慶人先生、野口盛雄先生、佐藤久三先生、太田勇作先生等々、
それぞれの先生方は坂本先生の教え子ということになります。  

◎失敗談

24歳の時には治療の技術を買われ「藤川整形外科」というクリニックで、院長代行をやっていたそうです。                
その時の失敗談を語ってくれました。
院長が留守の時に患者が外来、肘が外れているというので均整の「肘内症」の治療を施した。
その場で痛みは消え、動かせるようになったので帰したところ、
その晩、はげしい痛みが発生。
鉄棒から落下しで骨折していたのです。
痛みの原因を突き止めることを怠ってしまい、
藤川院長から「原因が違えば処置法は変わるものだ」と教訓を受けた、と仰っていました。          

◎亀井先生の言葉

インタビューの最後に、こう締めくくって頂きました。
「亀井先生はよく【均整の心は、中庸(ちゅうよう)の心だ】と仰っていた。
 中庸とは、出過ぎず引っ込みすぎずということ。天人同一ということなの!」          
まさに、均整の歴史と伴に歩んでいるような先生です。                

◎東京支部研修会

11月の東京支部研修会には「脊髄神経反射」という講題でお話を頂きます。
身体均整法の原点となる脊髄反射です。
是非、皆様お誘い合わせの上ご聴講ください。
インタビュアー:深沢功

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今後の支部研修会

◎12月16日(日)
 講師:宮川幸次郎先生  
 講題:「経絡操縦法:原穴を使った調整」
 場所:笹塚区民会館
◎1月20日(日)
 講師:田川直樹先生
 講題:「調整の流れ:技が効かない!どうする?」
◎2月11日(月祭)
 講師:太田雅雄先生  
◎3月16日(日)
 講師:西脇幸宏先生
 講題:「相関関係を見つめる・その2」

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■東京支部自主活動情報■

(1)第167回手技研究会
・日 時 11月15日(木)午後7時〜9時
・場 所 中野区大和町1−65−4増田ビル2階 ザ・均整法せいたい
     JR高円寺駅北口下車徒歩7分

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(2)手技勉強会

受者・整者・第3者が納得する「3つの納得」の為を目標に実践しています。        
受者の施術料は、初回〜3回まで1,000円、4回以降3,000円。
事故がおきた時に無料の場合は賠償保険の対象にならないためにこのようにしています。ご了承ください。          

・日 時 11月15日(木)10時〜18時
     11月22日(木)10時〜21時
     11月29日(木)10時〜21時
・場 所 手技研究会と同:ザ・均整法せいたい

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(3)均整倶楽部活動報告

11月3日に行われた台東区の福祉祭『みんなのひろば祭』に四度目の参加をしました。
当日は座位で15分程度の調整を一人200円で行い、92人を調整しました。           

その収益は、
・台東区社協
・パラリンピック協会
・国境なき医師団日本
・(財)日本対がん協会
まで寄付致しました事を報告します。  

参加者(敬称略) 村松陽一、池田勝、小酒井外紀、田川直樹、
秋島香、山崎慎市郎、田中菜穂実、太田毅菅原賢二、宇賀村あけみ、
福田和子、林由起子、19B國志理子、19B近藤秀一、19B坂尾佐知子  
 
お忙しい中を参加された先生方、お疲れさまでした。
また、7月から続いた実行委員会や、
お祭り前日の準備などで多大なご協力をいただきました木内登喜子先生、菊原綾香先生、片岡久雄先生。
この場をお借りしまして御礼申し上げます。ありがとうございました。     

均整倶楽部は地域社会への参加、均整法の普及を、こうした活動を通して実践し続けています。




 

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■東京支部よりお知らせ■

(1)第1回臨床見学会

1月30日に『臨床見学会』を実地します。
養成講座の講師の先生やベテランの先生の施術所に伺い、
クライアントとして1人が施術を受けているのを参加者で見学させていただこう、という趣向です。              

第1回は、春の全国講習会において12種体型学を講義された、
西脇幸宏先生の施術所に伺い施術を見学させていただきます。      

応募方法
 臨床見学会への参加は、原則として養成講座を卒業された方のみを対象とさせていただきます。                 
 応募者が多数になる事が予想されます。
 希望する方は、この支部便りが発送されてから1週間以内に編者の矢作まで御連絡ください。  

日 時  平成20年1月30日
場 所  西脇施術所 東京都葛飾区高砂
集合場所 京成高砂駅改札で待ち合わせ
見学者数 3名

※集合場所等につきましては希望者が確定次第にこちらから連絡いたします。

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(2)メール配信・支部HPについて

インターネットを使用されている方は、
支部だより等をメールによる配信に変更していただけるようお願い申し上げます。
メール配信を増やす事により、郵送料等の節約が可能になります。
担当の矢作まで「メール配信希望」の旨をお知らせ下さい。

また、東京支部にはHPがあります。支部便りのバックナンバーや、
支部会員のHPへのリンク集が掲載されています。
そしてHPをお持ちの方は是非リンクをよろしくお願いします。
本部への一般からの問い合わせは各会員のHPより辿ってこられる方が増えております。
支部研修会への一般参加も今後は増え均整法の普及に貢献できるでしょう。
http://www.kinsei.ne.jp/tokyo/

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(3)テレビ出演情報
 
村松陽一先生が、テレビ東京の「主治医が見つかる診療所」に出演します。
10月27日に、その収録を終えてきました。

放送は11月26日(月)19:00〜19:54(テレビ東京)で、
冷え性の特集時、番組の中盤あたりに登場されると思います。
どうぞご覧になってください。

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(4)会員動向

◎東京支部入会
 角 純一郎先生 平成19年大阪校卒業

◎千葉支部への移籍
 三浦宏明先生

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(5)野村ノート新刊案内

『お母さんの均整法』

今回の「お母さんの均整法」は
均整協会が機関誌を発行した当初、
亀井師範が家庭を守るために均整法として説いた論文の数々が支柱となっております。
それに併せて後年講義された「救急均整法」、
それに整顔整容法、小児均整法その他の中から分かり易くて直ぐに使える項目を選んで編集しました。

この本は均整法は初めてというお母さんが、
子供や家庭を守るために直ぐに手が出せるように編集したものですから、
均整法を仕事にしている人の参考には適しません。

しかしお母さんでなくてもお医者や薬のほかに、
昔の人が伝えてきたことを研究して技術を更に高めた均整法をやってみようという人が、
マグレでもいいから効果をあげたときは、
良き入門書となり、上達への手引書にもなるでしょう。
(野村宣行先生 資料研究No.29より抜粋)

『お母さんの均整法』主要項目

・姿勢を正しく ・均整法のあらまし ・体育と知育 ・子供の頭をよくする
・勉強の持続と記憶力増進 ・記憶が苦手な子供 ・子供の頭を良くするバッタン法
・お母さんの頭が良くなる均整体操 ・頭脳と踵 ・頭の疲れ ・頭の痛み一切
・顔が引き締まる ・顔の腫れをとる ・鼻血 ・鼻詰まり ・耳の病気
【お母さんの美容法】・唇を引き締める ・唇の歪み ・扁桃腺炎 ・咽の痛み
【上腹部 下腹部】・腹痛 ・悪心、嘔吐 ・不食症 ・下痢 ・腹が張る ・便秘
【上肢 下肢】・肩の痛み ・手首が痛い ・足の浮腫 ・足のこわり ・O脚の矯正法
【腰痛】・腰痛1.2.3.
【夜尿症】・夜尿症を運動系からみる
【小児喘息】・小児喘息は気管支喘息
【子供のいろいろ】・夜泣き ・偏食 ・吐乳 ・浣腸
【女性の更年期対策】・肥満、しわ、しみ ・下腹の脂肪をとる ・殿筋を引き締める ・不感症 ・若く美しくなる均整体操12種類
【いろいろの操作法】・乗り物に酔ったとき1.2.3. ・生殖器の活力
殿部の操作点でいろいろな病気を治す

亀井師範口述『お母さんの均整法』
B5版 96頁 価格2.500円
お申し込みは東京支部事務局 天内 登まで

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■あとがき■

山口他津子先生の講義による研修会に参加しました。                 
揺すぶりは、自分でも日頃施術に取り入れていて、
その効果も実感していて理解していたつもりでいました。
しかし、揺すぶりには多くの技術があり、
また、多くの意味を持つものだという事に気付かないままでいた事に気がつきました。                 

そして、たくさんの指導を受けながら、
自分の揺すぶりはなんと拙いものだったかを思い知らされました。
「それは揺すぶりではなく、振動です」と何度となく教えられました。   

1頁の研修会報告でも取り上げましたが、
下の手で圧定し、上の手で動かすという基本的な手の動きを、
果たして日頃きちんと行えていたかどうか、これもまた怪しく感じられました。

養成講座での受講態度をこの後に及んで反省してみたり、
足場を固めないでどうしてまともな建物が建つだろうかなどと思ってみたり。 
明日の朝一番、寒空の下より肩をすぼめて来院する人を暖めるにはどう揺すぶればいいだろう、
などととぼおっと思ってみたり。(矢作)



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