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ビジュアル版現代語訳『類別克服法』編集会議ブログから転載

卵巣の機能、器質の抑制点の解釈

                  村松陽一 編集員(前会長)







まず機能、器質の表記についての小柳先生の指摘(※1)ですが 「『類別』では器質、 と異動があります。」、この点について、類別克服法に取り組むこのブログに投稿する者の姿勢として丁寧に議論を進めて頂きたいという願いをこめて、敢えて末節ことですが類別克服法の記載については卵巣の機能、器質と両方の抑制点として表記されている事を指摘させていただきます。
※『類別克服法』P168

ビジュアル版現代語訳『類別克服法』編集会議ブログ参照のこと

小柳先生が交感神経の作用と卵巣との関係が自律ー体性反射の構造の中で詳細かつ簡潔にまとめられました。

この点を踏まえて、今後の議論の材料になればと考え、類別克服法の卵巣の機能、器質の鼓舞点に第三腰髄神経ついて私見を述べさせていただきます。私の眼目はどこまでも亀井師範の類別克服法の咀嚼をその観点にして居りますことを申し添えます。

交感神経により鼓舞される卵巣が下腹神経(交感神経)()により抑制される類別克服法の操作点として挙げられている、その矛盾についてどのように理解しているか、これは同時に自律神経中枢の均整法p85の副交感神経鼓舞法(第一、第二、第三腰髄神経を鼓舞します。第一、第二、第三腰椎の副突起下縁部を鼓舞刺激します。)の解釈、延いては類別克服法の全般の理解にもつながることだと考えております。
※L1・L2・L3は下腹神経(交感神経)『講座集』復刻版4集P14

上記の自律神経中枢の均整法副交感神経鼓舞法(P85)はエンブラムス以来、L1・L2・L3については副交感神経の鼓舞点として取り上げられており、その操作によりアトニー性の骨盤の副交感に作用する事は広く知られている。この歴史的な事実を確認した上で以下の論を進める。
※エンブラムス(Albeit Abram)『手技整形学』国分壮

亀井師範は『日本療術学』P138、P139おいて第二腰髄神経、第三腰髄神経の項に以下のように記されている。

第二腰椎は椎骨に接続する筋部及び関節の硬直により正常位より変位角の接近を生じやすい。第2腰椎の損傷は亦関節筋肉に影響して過度の接近を起こし度々過度接近により永久収縮を起こす.。。。激傷(原文)により生ずる麻痺状態は生活力の伝道を麻痺しその神経分布を受けるすべての器官は弛緩状態に陥る。これをアトニー性の状態と称す。第二腰髄神経は陰部、股神経,前股神経、閉鎖神経を成し,又分枝して大動脈叢。下腹動脈叢に接す陰部股神経は椎間孔より出て直に腰筋をとおり精系神経及び股神経に分枝する。

同書において「第3腰髄神経について、閉鎖神経外股神経前枝を出す第三腰髄分枝は大動脈叢及び内臓動脈叢に及ぶ故、この部分の交感神経は第三腰髄を通じて影響さる。。。。。特に卵巣。睾丸の機能の調節をする。 尚、亀井師範の第二腰椎の関節の硬直とアトニーとの関連性の指摘は自律神経中枢の均整法p85の副交感神経鼓舞法の第一腰椎、第二腰椎、第三腰椎の副交感神経鼓舞操法の基盤となっている事は明白である。」

この認識の下に創られている操法は数多く見られるが、最も代表的なものは腰椎2番の刺激による*夜尿症の操法が挙げられる。

下腹神経に関わる第二腰髄神経の交感神経の鼓舞として特別な示指、中指の使用法を示し、弱刺激(静圧)による刺激を求める。師範は圧が強いと逆効果になることを特に注意を示し、これが押圧の具合による副交感鼓舞効果と交感神経鼓舞効果の刺激効果の境界であることを示している事が伺われる。
※『講座集』復刻版第6集P219

特に卵巣を支配する神経については、下腹神経叢から子宮・膣・卵管を支配する自律神経性のフランケンホイザイル氏神経叢と精系神経節より出て卵巣動脈とともに卵巣にいたる卵巣神経叢そして脳脊髄神経である陰部神経が挙げられるが精系神経節は腹腔神経節・上腸間膜神経節・腎臓神経節と連絡する。そしてこれらの神経節中には交感神経繊維のほかに大・小内蔵神経及び交感神経交通枝を通じて来る脊髄副交感神経繊維が混入するし、卵巣神経叢も交感神経繊維と共に副交感神経繊維をも含む。。
※呉・沖中『自律神経系・各論』P167

上記のように1と2における亀井師範著、昭和26年発行『日本療術学』、3の呉建・沖中重雄『自律神経系 各論』昭和24年第5版おける前掲の記述の第3腰髄神経が及ぼす卵巣と交感神経との関係の矛盾を払拭して、アトニー、精系神経節の組成と交感神経、脊髄副交感神経・卵巣神経叢の関わりの中で卵巣機能器質抑制点とした亀井師範の理論構成の枠組みが浮かび上がってくる。

また、上下腹神経叢の形成の過程において、直立2足歩行の進化と腸管伸張現象、腸間膜固定という人類の特性が腰椎にかかる重力の力学的な作用と形態学的な現代的な知見()は自律神経中枢の副交感神経鼓舞法、亀井師範の日本療術学における記述の理解を後押しする。
※佐藤健次「上下腹神経叢の形態学的ならびに臨床的意義」







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